絵本作家になりたい人にお薦めの絵本の公募やコンクール(コンテスト)と、注意すべき大切なこと。

絵本作家デビューをするために、普段から絵本の公募やコンクール(コンテスト)の情報を探している人は多いことでしょう。今日の課外コラムでは、応募のときの注意点と、お勧めの絵本の公募やコンクール(コンテスト)を紹介していきますね。

絵本の公募やコンクール(コンテスト)には、いろいろなものがあります。それぞれ、枚数やサイズなどの仕様が異なっていたり、「ミツバチやはちみつをテーマに」「自然と友情をテーマに」など、作品のテーマが決められているものがあったり…。

また、受賞した場合のメリットもさまざま。最優秀作品に出版が約束されているものもあれば、すべての受賞者に対して賞品や賞金を授与する、というケースもあります。

ここで、ぜひ気をつけてほしいポイントをひとつ。受賞した場合のメリットの大きさにとらわれて、応募者をターゲットとしたセールスにひっかからないようにしてください。これ、「まさかそんなにバカじゃないわ」と思っていても、意外とはめられてしまう人が多いのです。

たとえば、イラストのコンクールに応募したら、「結果の通知」という体裁で「審査側」の人から電話がかかってくる。応募したほうは、自分自身、応募した覚えがあるので、「結果はどうだったんだろう。電話がかかってくるということは、入賞? いや、もしかして、最優秀賞?! ドキドキ…」という精神状態で電話に出ますよね。

そこで、電話の相手がこんなことを言うのです。「最終選考まで残りましたが、惜しくも敗れてしまいました。…しかし、審査員のひとりとして、あなたの能力をこのままにするのが心からもったいなくて、悔しいです…。そこで“あなただけに”提案があります。プロが使っている画材を1年間分、特別優待価格で卸しますので、試してみませんか? 今ならプロの添削が5回分、無料でつけます!」

こうやって書いても、あなたは「いやいや、その場になれば、さすがにこれはセールスだ! って気づきますよ〜! 何言っちゃってるんですか!」って思うかもしれません。でも人間というのは自分が思っているよりも、その場のリアルな空気に流されやすい生き物。うっすら疑念を抱いていても、気づいたら購入申込のサインをしてしまったあと、というケースは本当に多くあるのです。

結果、何十万円もする画材キットを買わされて、お支払いが済んだあとはノーケア。1年後に絵本作家デビューできているかというと、できていない。あったりまえですよね! そもそも「プロが使っている画材」って何を根拠に言っているかわからないし(プロって具体的にどこの誰だよ!)、プロが使っている画材を使えばプロになれるんだったら、世の中の絵本作家志望者のほぼ全員がプロになれているはずでしょうが!!(←ここ、ちょっとキレ気味)

残念なことに、商品やサービスを売るほうも、「喰っていかなくてはならない」という都合上、多少心が傷んでいても、こういう手法でセールスしてきちゃうことがあるのです。もっとも、まったく心を傷めないで売っているケースも大いにありますが。ピュアな絵本作家のたまごを騙して肥やしにするのは本当にやめていただきたい。

ただ、やめろと言ってもそう簡単にはやめてくれないでしょうから、騙される側がしっかりとした知識を持って騙されないようにしましょう。あなたが大人であれば、自分で決めたことに対してあとでどれだけ泣いても、誰も責任をとってくれないですしね。ちょっとでも「不安だな」「怪しいな」と思ったら、信頼のできる身近な大人に“事前に”相談してみましょう。もちろん、絵本の学校に相談してもらってもかまいません。とにかく“事前に”です。

さて、注意事項はこれくらいにして、実際にどんな公募やコンクール(コンテスト)があるか、調べてみましょう。

まずは手始めに、インターネットで「絵本 コンクール」というキーワードで検索してみます。次に、「それぞれの公募やコンクール(コンテスト)の内容が自分に合っているかどうか」と、「自分が応募する目的は何なのか」を考えて、最適なものを選んでいきましょう。

チェリーが気になる公募やコンテスト(コンクール)をいくつかご紹介しますね。

★ ニッサン童話と絵本のグランプリ http://www.nissan-global.com/JP/CITIZENSHIP/FAIRYTALE/GUIDELINES/index.html

★ ミツバチの童話と絵本のコンクール http://beekeeper.3838.com/activity/dohwasakuhin/

★ 日本新薬こども文学賞 http://kodomo-bungaku.jp/index.html

★ ピンポイント絵本コンペ http://www.pinpointgallery.com/

★ おおしま国際手づくり絵本コンクール http://www.ehonkan.or.jp

★ 月刊 おひさま大賞 http://www.ohisama.shogakukan.co.jp/taishou/

★ 絵本のテキスト大募集 http://www.jibunkyo.or.jp/koubonews.html

★ 未来のこども絵本大賞 http://www.kacho-college.ac.jp/

★ 有田川町絵本コンクール http://www.town.aridagawa.lg.jp/library/pondelsogno.html

★ 家やまちの絵本コンクール http://www.jutaku-sumai.jp/ehon/index.html

★ 矢祭もったいない図書館・手作り絵本コンクール http://www.mottainai-toshokan.com/contest/index.html

★ みなまた環境絵本大賞 http://www.minalib.jp/ehontaisyo/

★ タリーズピクチャーブックアワード http://www.tullys.co.jp/

★ Be絵本大賞 http://be-ehon.fujitvkidsclub.jp/contents/entry.html

★ 日本童画大賞 http://www.ilf.jp/contest/index.htm

※それぞれのURLは2014年8月時点のものです。クリックした時期によっては開催が終了しているケースや、リンク切れ・内容の変更等が出てくる場合もあるかもしれません。ご了承ください。また、応募の際はご自身で詳細をしっかりとご確認くださいね。

チェリー(童話作家)

* 絵本の公募やコンクール(コンテスト)に関わる最新記事「【警鐘・重要】絵本作家になりたいあなたが絵本のコンクールやコンテストで悲しい想いをしないために。」はこちら。ぜひ併せてお読みください。

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