絵本作家・ムナーリの詩集『ムナーリのことば』が心に刺さる

先日家の近くにある(といっても電車で数駅行ったところなのですが)本や雑貨の置いてあるカフェに行きました。
行くと言っても友人と待ち合わせをしていて、その間の時間を潰していたのです。
店内には雑誌、絵本、実用書など、さまざまなジャンルの本があり、読書好きにはたまらない空間。

いつもは料理や食べ物の本を中心に見てしまう生まれながらの食いしん坊なのですが、この日、目に飛び込んできたのは1冊の詩集でした。

なぜなら、表紙にこう書いてあったからです。

『ムナーリのことば』
おとなのしるしに
懐中時計をつけてもらった
そのとき 僕は10歳で
でも 何時におとなになったらいいのか
よくわからなかった
―ブルーノ・ムナーリ
(ブルーノ・ムナーリ著/阿部雅世訳『ムナーリのことば』平凡社)

「10歳のくせに、ずいぶんませたやつ」と、彼の才能への羨望と自分の文才のなさにもやもやしながら立ち読みをはじめ、いつの間にかこの詩集を持ってレジへと向かっていたのです。

詩集をわざわざ買って読んだのは、恥ずかしながら中学生時代の課題図書以来のこと。(ちなみにそのとき読んだのは岡真史の『ぼくは12歳』です。)
ムナーリのことばはシンプルで深く、ときにずしり、ときにぐさり、と心に響くのでした。

ムナーリは1907年にイタリア・ミラノに生まれ、絵本作家、詩人、美術家、グラフィックデザイナーなど、さまざまな顔を持つ芸術家だったようです。
その才能が多岐にわたるため、ウィキペディアによると「全体像が掴みにくい」んだとか。
1985年には東京・青山にあるこどもの城でワークショップを行ったほか、91歳でその生涯を終えるまで、世界中で精力的にワークショップを開催していたそうです。

実際のこどもの城でのムナーリのワークショップ

出典:http://www.koumi-town.jp/museum/exhibition/munari.htm

 

詩集の中で最初に書かれている詩が、素晴らしかったのでここに載せます。

誰かが
これなら僕だってつくれるよ
というなら
それは
僕だって真似してつくれるよ
という意味だ
でなければ
もうとっくにつくっているはずだもの

わたしにとってこの詩は、勇気と励ましを与えてくれると同時に、戒めでもありました。
改めてムナーリの絵本をじっくり読んで、またここでご紹介できればと思います。

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ホウバイシ(絵本作家・ライター)

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