たとえばあなたが絵本のコンクールに応募しようと思ったとしたら、まず取り掛かるのはストーリーづくりや絵を描くことではないでしょうか。
とくに絵は絵本の印象を決定づけ、言葉では伝えにくいことまで表現できる部分です。
でも、ひとくちに絵といっても、絵具で描くのか色鉛筆で描くのか、はたまたボールペンを使うのか、画材によってずいぶん印象が違いますよね。
とくにアウトライン(輪郭線)を描いた中に色を塗るときは、水彩絵の具や水彩色鉛筆を使う場合は気を付けないとにじんでしまうことも。
そこで、どんなペンがにじみやすく、どんなペンがにじみにくいのかを、身近なペンをいくつか用意して調べてみたいと思います。
今回は街の文房具屋さん(画材屋さんではありません)で手に入れた6種類の黒またはブラックのペンを比較します。
これらでアウトラインをとって、水彩色鉛筆でなかを塗ってみます。
最後に水で濡らした筆で色を着けた部分とアウトラインを両方なぞって、どのペンがどれだけにじむのかみていきましょう。
まず、アウトラインをとってみます。
画用紙はmuseのスケッチを使用しました。
6匹の魚の絵を左上下の順で1、2、3、4、5、6のペンでアウトラインだけ描きました。
写真がわかりづらくて大変恐縮なのですが、今回この段階でいちばんにじんだのはパイロットの油性マーカー。
筆サインペンは当然ながらアウトラインに太い部分と細い部分ができました。
描き心地が柔らかいのはぺんてるのサインペンでしたが、少しかすれが気になります。
ユニのプロッキーは若干固めですがかすれ感はあまりありませんでした。
水性ボールペンにはかすれやにじみがなく、油性ボールペンではムラがとダマが少しありました。
次に水彩色鉛筆でなかを塗ります。
今回使うのはファーバーカステルの水彩色鉛筆。
だいだいいろとみずいろです。
最後に水をつけた筆でなぞると……。
いちばんにじんだのはぺんてるの水性サインペンでした。
水性マーカーのプロッキーと水性ボールペンのジュースは魚の目のあたりににじみが目立ちました。
逆に油性のマーカーとボールペンはまったくにじみません。
意外だったのが水性の筆ペン。
意識して目のあたりを濡らしてみたのですが、ほとんどにじみが出ませんでした。
今回使用したペンは、どれもイラスト用ではなく、普通の文房具店で売っているもので、にじまないからよい、にじんだからよくないというわけではありません。
でも、絵本作家になる第一歩を踏み出すために、まずは自分のイメージに合った絵が描ける画材を選びたいですよね。
いろいろ試してお気に入りの画材を発掘してみてくださいね。
ホウバイシ(ライター)